歯周病(歯槽膿漏)とは、成人の約80%が感染していると
言われており、世界一感染者が多い病気としてギネスブック
に掲載されています。
しかし、歯周病の怖いところは大きくわけると、
下記の②点です。
①痛みなどの自覚症状が無いこと
②歯だけでなく、全身疾患にも悪影響を及ぼすこと
日本人が歯を失う原因の第一位は、「歯周病」であり約40%を占めます。
ですので、歯周病はしっかりと治していく必要があります。
①健康な状態 ・・・健康な状態なのですが、放っておくと汚れが付いてきますので、しっかりと歯磨きと定期健診を受けて、健康な状態を維持していきましょう。
②軽度歯周病 ・・・軽度とはいえ、歯周ポケット周りに付いた菌が骨を食べていくため、骨が減少していきます。
③中等度歯周病・・・歯周ポケット内で汚れが固まり歯石となります。このまま放置しておくと、さらに骨が減少し、歯がグラグラしていきます。
④重度歯周病 ・・・重度になると、顎の骨が溶けて激しく歯がグラグラし、放っておくと歯が抜け落ちてしまいます。
実は、65歳以上の歯が抜ける原因のほとんどが歯周病です。さらに、歯周病が全身疾患に影響を及ぼすことも分かっています。歯周病菌が全身に拡散し、脳血管疾患、関節炎、誤嚥性肺炎、妊娠トラブル、ピロリ菌感染胃疾患、腎炎、糖尿病、
歯周病の治療・予防をすることが健康な体をつくる近道です。
歯科医院は、処置の内容について点数が決まっております。
治療の方が高い点数ですので、痛くなった時のみ通院するよりも、定期健診で通院し続ける方が
生涯医療費が安くなるという研究結果もあります。
3か月に1回のペースで、歯周病の治療を行いましょう。
歯周病とは、歯を支えている歯槽骨という骨が溶けてしまう病気のことで、その原因はお口の中の細菌に
よる感染症であることがわかっています。お口の中には約900種類の細菌が住んでおり、
その中でも数十種類が歯周病に関係している菌です。その歯周病菌の中で最も悪いと言われているのが
「Red Complex(レッドコンプレックス)3菌種」です。
下図は、お口の中に存在している数100種の細菌を、歯周病への関連が高い順に分類し、ピラミッド状に
模式図化したものです。Red Complex(レッドコンプレックス)と呼ばれる3菌種(P.g菌、T.d菌、T.d菌)は
ピラミッドの頂点に位置し、重度の歯周炎に最も影響を及ぼしていると言われています。
重度の歯周病に影響があると言われている3菌種
①P.gingivalis(ポルフィロモナス・ジンジバリス)
②T.denticola(トレポネーマ・デンティコーラ)
③T.forsythensis(ターネレラ・フォーサイシス)
これらの菌種のうち顕微鏡で確認できるのは、T.denticolaのみです。
(形が特徴的なので)P.gingivalis 菌とT.forsyensis菌は非常に小さな桿菌なので
顕微鏡では判別できません。そのために「リアルタイムPCR法」によるDNA診断が必要になります。
虫歯・歯周病の原因は、細菌による感染症です。
ですので、この細菌をなくすことが、
虫歯・歯周病を防止することとなります。
この歯周内科という治療方法は、お薬を飲むことで
お口の中の菌を一旦リセットすることができます。
お薬で菌を減少させると、歯周病の治りが断然早くなります。
是非、一度お口の中をリセットさせましょう。
歯の汚れと言っても、大きく2つあります。
・歯を磨いて取れるもの(歯垢:しこう)
・歯医者でしか取れないもの(歯石:しせき)
歯垢とは、爪で歯を引っかくと取れる白くてネバネバした
ものです。この歯垢は、上手く歯を磨けないと
残ってしまい、2日間で歯石になると言われています。
どのような歯ブラシを使って、どのような歯磨剤を使い、
力の入れ加減、歯ブラシの角度など、細かく丁寧に歯磨きを行わなければなりません。
ですので、ほとんどの方に磨き残しがあるのです。
歯科医院では、この歯石取りとして、「SC:スケーリング」と「SRP:ルートプレーニング」が
あります。SCとは、縁上歯石と言って歯肉よりも上にある歯石を取ることを、
SRPとは、縁下歯石と言って歯肉よりも下にある歯石を取ることを言います。
歯周病検査の一つとして、位相差顕微鏡で歯周病菌を調べていきます。
口の中の汚れを採取し、特殊な顕微鏡で観察します。
現在の菌の量や活動性を確認することができ、
歯周病になりやすいかどうか、今はどういう状態なのか、
これからどういう状態になっていくのかが分かります。
今まで歯周病菌としか言われなかったものを、
その菌名を特定、その数をPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)を
用いた検査方法で測定を行います。
検査の手順
細菌の採取方法は簡単です。痛みはまったくありません。
(1) 歯周ポケット内にペーパーポイントを底部まで挿入します。
(2) そのままの状態で10秒間待ち、滲出液を採取します。
診療所で行う作業はこれだけです。後は検査会社に委託します。
(3) 検査センターより検査結果が届いたら、細菌のタイプを診断します。
歯周病菌のDNA検査は歯周病検査の中で最も重要で最先端の技術です。
この検査は保険診療の適応外となります。当医院では、このリアルタイムPCR法の結果をふまえて、
歯周病が発症していない若い方には、検査結果から、将来歯周病で苦労するかしないかの判定を
行って、予防に役立てています。また、歯周病が進行して苦労されている方には、
歯周病の治療の効果がでているかを判定するためにやはり、この検査を有効に使用しています。
誰でも、ご自分の歯を一生涯健康に保ちたいと思っているはずです。
ただ、定期的に検診を受けるとか、歯石を取るとかではなく、一歩進めて、科学的根拠に基づいて
積極的に歯周病の治療・予防をすることができるようになりました。
当院は、一般社団法人国際歯周内科学研究会の会員であり、
かつリアルタイムPCR(遺伝子検査)会員です。
リアルタイムPCR法でなければ、歯周病菌の中で最も悪い
「Red Complex(レッドコンプレックス)3菌種」を
判別することはできません。
当院は、会員であり、リアルタイムPCR法を
行っておりますので、是非お気軽にご相談ください。