小牧にある痛みに配慮した地域密着型歯医者

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お子さまのその悩み「小児口腔機能発達不全症」かもしれません

 

 

■子どもの発達が遅いと悩んでいませんか? 

 

お子さまの健やかな成長を願う親御さんにとって、子どもの発達が遅いかもしれないと悩むのはとても不安が大きいものですよね。 

 

「言葉を習得するのが遅い」 

「うちの子は偏食な気がする」 

「口呼吸や指しゃぶりが治らない…」 

「発音や滑舌が悪い」 

「歯が生えてくるのが遅い」 

 

こういったお子さまの発達が遅いという悩み、当てはまる方も多いのではないでしょうか。こういった悩みは、「小児口腔機能発達不全症」かもしれません。 

 

■「小児口腔機能発達不全症」とは? 

 

別名「口腔機能発達不全」とも言われますが、疾患の対象が15歳未満であることから、「小児口腔機能発達不全症」とも呼ばれています。この疾患の病態は「食べる機能」「話す機能」「その他機能」が十分に発達していない、または正常な機能獲得ができていなく、摂食機能障害などの明らかな原因疾患がない状態において、お口の中の機能の定型発達が個人的因子・環境因子に専門的な関与が必要な状態と定義されています。 

 

①食べる機能不全の具体例 

口腔内に食べ物を入れ、歯で噛んで飲み込むまでの一連の流れをスムーズにできない状態をさします。原因はお口の中にある可能性が高いと考えられており、不正咬合(歯並びが悪い)や大きな虫歯がある、咀嚼回数が少ない、生えるのが遅い歯があるなどがあげられます。 

 

②話す機能不全の具体例 

一般的に、子どもの発音機能は、5〜6歳頃に完成するといわれています。5〜6歳頃にあたる頃、カ・サ・タ・ナ・ラの各行の音が正しく発音できないなどが、話す機能不全に該当します。普通にしていても上の前歯が口から出て見えてしまう、うまく唇が閉じられていない、舌を前に突き出したときにハートの形になる、といった例が具体的な症状としてあげられます。これは唇や舌、頬の筋肉不足や調和の乱れ、形の異常で生じている可能性が高いとされています。 

 

 

③呼吸機能不全の具体例 

口呼吸が呼吸機能不全に該当します。人間の体にとって適切な呼吸方法は鼻呼吸とされているため、口呼吸をしていると、さまざまなリスクやデメリットが生じます。具体例として顔立ちが悪くなる、虫歯ができやすくなる、歯列が乱れる、歯周病の原因になるなどがあげられます。 

 

■「小児口腔機能発達不全症」のチェック方法 

 

  • 唇がふっくらと厚ぼったい 
  • 食べる時や話す時に口から舌が出る  
  • よだれが気になる、量が多い  
  • 口元から食べ物がよくこぼす 
  • 口呼吸をしている 
  • いびきをしている 
  • 滑舌が良くない (発音が良くない) 
  • いつも猫背 
  • 舌にギザギザの歯の痕が見られる 
  • 舌の長さが短い 
  • 舌を前に出すと先がくぼむ(ハート型のようになる) 
  • 歯列が悪い 
  • 固い食べ物が嫌い 
  • 食べるのが早い・ほとんど噛まない 
  • 食べるのが遅い・なかなか飲み込まない 
  • 肥満・痩せである 
  • 口をぽかんと開けていることが多い  
  • 目がたれていて口がへの字 
  • 顔に締まりがない  

 

 

上記に当てはまる症状がある場合、口を上手に使えていない「口腔機能発達不全症」の可能性があります。 

 

「小児口腔機能発達不全症」の特徴やチェック方法についてはご紹介しましたが、ではどんな改善方法や治療方法があるのでしょうか? 

 

 

■「小児口腔機能発達不全症」の検査 

 

症状チェックで、該当するものがある場合、口腔機能発達不全症の可能性があるため、できるだけ早く歯科医院に相談することが大切です。歯科医院では問診と共に、お口の中の状態のチェックも行われます。かみ合わせや呼吸の状態、歯並びやのどの形態、口を閉じる力や舌の力の測定など総合的に診て診断が行われます。 

 

症状には個人差があるため、状態によっては基本的な歯科治療のほか、耳鼻咽喉科への紹介が必要になるケースもあります。どちらにせよ、早いうちに開始すればするほど大きな効果が期待できます。 

 

 

「小児口腔機能発達不全症」の治療の流れ 

 

①問診票の記入 

②口腔内の状態、噛み合わせ、咀嚼、飲み込みのチェックをはじめ、唇の力、舌の力、噛む力の計測などの写真撮影 

③検査で機能に異常があれば改善するトレーニング開始 

④状態チェックやトレーニング実施状況のチェック、トレーニング法の修正 

⑤再検査による症状の改善状況の確認 

※歯科医院により異なるケースがあります。 

 

■トレーニングはどんなことをする? 

 

・ガムトレーニング 

舌の力や、飲み込む時の正しい舌の動きを身につけるトレーニングとして実施されます。下記の順序で行なったのち、口の中で逆三角形にガムが広がれば、正しい舌の動きができていると判断されます。 

1左右の歯で均等にガムを噛みます。 

2ボール状に舌の上でガムを丸めます。 

3ガムを舌の中央に乗せて上の顎に押し付け薄く広げます。 

4ガムを舌で上顎に押し付けたままとつばを「ごっくん」と飲み込みます。 

 

・ポッピング 

舌先を上顎につけて、「ポンっ!」と音を立てて離す、いわゆる舌打ちと同じ仕草を繰り返し、舌の力を鍛えるトレーニングです。 

 

・あいうべ体操 

口を大きく開けながら「あー」「いー」「うー」「べー(舌を出す)」と動かしていくトレーニングです。行う際は大きく、ゆっくり動かすと効果的です。 

 

・タオル引きちぎりトレーニング(THT) 

顎の成長に関連する筋肉を、総合的に鍛えるためのトレーニングです。 

1素足になって肩幅に足を開きます。 

2タオルを歯で軽く噛んで唇で強く挟みます。 

3タオルが引っ張り抜けないように唇にぐっと力を入れ、舌は先端でタオルを押すようにします。 

 

*トレーニングだけでは足りない場合は「歯列矯正」が行われます! 

 

不正咬合が原因とされる場合は、歯列矯正を行なって改善していくケースが多いです。不正咬合はトレーニングだけで改善することはむずかしいため、早いうちから矯正によって歯列を整えてあげることが大切ですよ。 

 

 

■最後に 

 

口腔機能発達不全症の症状を放置してしまうと、歯並びがより悪化する、呼吸がしにくくなる、姿勢が悪くなる、顔の発達に悪影響を及ぼすなどのリスクが生じます。口腔機能発達不全症は、放置してしまう期間が長ければ長いだけこういった症状を悪化させてしまうので、早い段階での治療やトレーニングが大切です。 

 

骨格の異常を整える治療は子ども時期にのみ可能なものです。今は大丈夫だと甘く見ていても将来的に辛い思いをすることになってしまいます。子どもの時のお口の発達は生涯にわたって影響するということをご家族がしっかり理解したうえで、プロの力を借りて改善してあげることが重要ですよ。